ヒートクリーン…
その名前を憶えている人はどれくらいいるのだろうか…
2011年11月に発売が始まった、天然ガスを原料とするファンヒーター専用GTL(Gas To Liquid)灯油「シェル ヒートクリーン(Shell heat clean)」…(それ以前にエコ灯油として販売されている時期もありました)
我が家でも、2014年からキャンプ用のレインボーストーブで愛用していました。
そして、一部界隈で惜しまれつつも、2017年4月28日で販売終了となりました。
販売終了から2年。
私も通常の灯油での石油ストーブ使用に慣れてきましたが、今でも時々ヒートクリーンのことを思い出します。
今日は改めて、ヒートクリーンの思い出をまとめていきます。
ヒートクリーンの存在を知らなかった方も、「こんな燃料があったんだ…」と記憶の片隅にでも置いて置いてもらえれば、この記事を書いた甲斐があるというものですw
*当ブログでは現在まで4つのヒートクリーン関連記事がありましたが、当記事に集約し他記事は非公開に移行します
2014/12/17 ★レインボーの燃料は「ヒートクリーン」?
2016/01/08 ★今年も購入「ヒートクリーン」!原油安で涙編
2016/10/24 [悲報]シェル「ヒートクリーン」販売終了の件
2017/12/16 ヒートクリーンに捧げる鎮魂歌!さらばヒートクリーン!また会う日まで!!
ヒートクリーン(Heat+Clean)とは…
まずは一般的な灯油についてのお話から…
一般的に石油ストーブに使用するのは灯油ですよね。厳密には「JIS1号灯油」と呼ばれるものです。レインボーストーブの説明書にも記載があります。
通常の灯油は原油を精製して作られていますが、このGTL灯油ヒートクリーンは原油よりクリーンな天然ガスから精製されています。
ヒートクリーンのメリット
においが少ない!べとつきが少ない!
天然ガス由来の為硫黄成分が極めて少なくなっています。また非石油系のためべとつきも少なくなっています。
当時のパンフレットです。
私が購入していたガソリンスタンドの店長さんの話だと…
また、キャンプへの運搬時、収納バッグ内に灯油漏れをさせてしまいましたが、後日まで残るにおいはありませんでした。逆ににおいがしな過ぎて、こぼれているのに気が付かなかったのはデメリットかなw?
実はファンヒーター専用灯油。芯式ストーブでの利用は自己責任で…
ん?
気が付きましたか?このマーク…。
そう、このヒートクリーン…。
実は「ファンヒーター専用灯油」として売り出されていたのです(^_^;)。
灯油規格を満たすものでは有りながら、ファンヒーター専用となっています
Q&Aに「ヒートクリーンと一般灯油の違い」「なぜファンヒーター専用なのか?」等の説明も有りました
それによると、今後適合性が確認される可能性も有ったようですが、結局未確認のまま終売となってしまいましたね(^_^;)
日本エネルギー学会誌 「GTL灯油の灯芯燃焼における火炎特性」にGTLの灯油を芯式ストーブで使う場合の不具合についての記載がありました。(すでにリンクは切れていました)
一般的な灯油とGTLの火炎輝度の違いが主な原因で、火炎検知器が失火判断をしてしまう
2.自然対流型の芯式ストーブの芯の白化
GTLの灯油の火炎の高温化により炭素繊維分が焼失し芯の白化が生じる
1はレインボーストーブには無関係。2はちょっと気になりましたが、現在まで芯の異常減少等の問題はありません。
ヒートクリーンのデメリット
販売店舗が少なかった
販売経路が限られていて、どこでも買える状況になかったのが普及しなかった理由のひとつでしょう。
Amazonや楽天、シェルのWebサイト等で購入することができました。
国内に数店舗ですがヒートクリーン缶を販売しているガソリンスタンドがあり、さらに少数は通常の灯油の様にポリタンクへの販売をしている店舗もありました。
価格が高かった
シェルのWebサイトでの販売価格です。
18L缶⇒4,082円(226.8円/L)
10L缶⇒2,484円(248.4円/L)
4L缶x4缶⇒4,558円(284.9円/L)
送料込みですが、この価格は高い…
なぜヒートクリーンを使い始めたのか?
基本的に缶での販売となっていたヒートクリーンですが、近所のガソリンスタンドでは灯油と同じ様にポリタンクへの販売をしていました。
ヒートクリーン専用の緑色のポリタンクも販売していました
そして価格は158円/L
まだ灯油よりは高いですが、前述の缶の通信販売価格よりは安くなっています。年に1、2回の購入だったため、金額よりにおいの無さ等の快適さを選び購入していました。
記録していた通常の灯油価格ですが
2013年12月の灯油単価は104円/L
2014年12月の灯油単価は95円/L
2016年1月の灯油単価は65.5円/L
2013年時点は灯油価格も高騰していて、ヒートクリーンは灯油の1.5倍の価格でした。この価格差なら許せましたw。
しかし2016年1月では2.4倍に…
さすがにこれは心が折れそうになりましたorz
このままヒートクリーンを使っていていいのだろうかと…
結局最後まで使い続けることにしましたが…
【販売終了】そして幕は降ろされた
灯油価格の低下により、ヒートクリーンはますます売れなくなったのでしょう。
2016年10月に販売終了のニュースが飛び込んできました。
それによると2017年4月28日で販売終了とのこと…。
販売店では2017年11月まで在庫がありました。
最後のヒートクリーン購入です。やっぱり158円のまま…w
最後の輝き…
時は2017年12月16日…
すずパパ家最後のヒートクリーンが静かに燃え尽きようとしているシーンです。…
残量はあとわずか…
そして火が小さく…
・
・
・
って、これは自分で芯を下げて撮りましたwww
けれど、その後すぐに燃え尽きてしまいました…
すずパパ家の冬キャンの時、いつも使っていた『ヒートクリーン』
触ってもべとつかずにおいもつかない『ヒートクリーン』
車内にこぼしても平気だった『ヒートクリーン』
もう、お別れの時です
さようなら『ヒートクリーン』!!
また会う日まで!!
終わりに…総帥の演説風に
「我々はひとりの英雄(ヒートクリーン)を失った!
しかし!!これは敗北を意味するのか!?
否!!
始まりなのだ!
灯油に比べヒートクリーンの値段はほぼ2倍であるにもかかわらず…(以下略)」
なんて言う、演説が聞こえてきそうですが、ヒートクリーンの集大成的記事を書いてみました。
さぁ、ほとんど自己満足で書いたヒートクリーン記事。みんな読んでくれるかなw?
ホント、ヒートクリーンの存在を知った時の興奮が忘れられません!
原油の枯渇で灯油価格上昇⇒ヒートクリーンメジャー化!
なんていう未来を少しでも考えていた自分が恥ずかしい…
使った人にしかわからないことですが、本当にこのヒートクリーンのメリットは素晴らしいものでした!におい知らずでべとつき知らず!
そしてまたいつの日か!
灯油価格が高騰した際には復活して欲しい!!
そう思わずにはいられない、すずパパなのでした…
コメント
こんばんは(・ω・)
パンフレット、基調的にも赤ちゃんの採用的にも、どこぞのおむつのパッケージみたい(*´艸`)
でもそれだけクリーンで赤ちゃんにも優しいものだということなんですよね
いやはやしかしこれだけの熱意が籠もった集大成の記事を執筆されるとは、すずパパさんのヒートクリーンへの愛がにじみ溢れ出ています(*゚ω゚ノノ゙☆
販売終了の理由はなんだったんでしょうか?
昨今原油高ですし、復活を望む声は案外多いのではないでしょうか
もし復活の日には、いたちも試してみようかと思わせる記事でした(*´ω` *)
いたちさん♪
こんにちは!エコクリーンを愛す男すずパパです!
>でもそれだけクリーンで赤ちゃんにも優しいものだということなんですよね
このエコクリーンの燃焼臭は多くの方に一度嗅いでもらいたかった…。
匂いに敏感な奥様やお子様にホントおすすめな燃料でした!
>販売終了の理由はなんだったんでしょうか?
出光とシェルの合併の流れでの合理化ですかね?もちろん、あんまり売れていると言う状態でもなさそうだったので、もう無理状態だったのかもしれませんが…
>もし復活の日には、いたちも試してみようかと思わせる記事でした(*´ω` *)
その際には是非!!
原油が枯渇した際には復活することでしょう!(何年後だ!?)
缶入りの残りをまだランタンに使っています。
ファンヒーター専用だった一番の理由は綺麗に燃焼した炎が見えないため安全性を考えてと記憶しています。
復活を望みます。
HAMAKIさん♪
こんばんは。コメントありがとうございます。
まだヒートクリーンをお持ちだそうで、羨ましい限りです!
オイルランタンに使うとグローブのすす汚れも控え目で良かったなぁ…。
>ファンヒーター専用だった一番の理由は綺麗に燃焼した炎が見えないため安全性を考えてと記憶しています。
「綺麗な燃焼」。確かにそうですね!燃焼性能が良すぎて、石油ストーブの芯の寿命が短くなるなんて話も聞いたことありますね。
>復活を望みます。
ホント、復活して欲しい!そして、もう少しお安い価格で供給してくれたら嬉しいんですがね…(;^ω^)
最後の方は原油安もあり灯油との価格差が酷い事になっていましたからね…